「技術」「人文知識」「国際業務」の魅力、他の在留資格との違い– 「特定技能」「技能実習」「経営・管理」など、混同しやすい他の在留資格との違いを解説! –

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、日本のビジネスの多様なニーズに応える「ホワイトカラー職種」に特化した重要な就労ビザです。しかし、他の就労系在留資格と混同されがちで、それぞれの目的や要件、認められる活動内容が大きく異なります。

ここでは、主要な在留資格である「特定技能」「技能実習」「経営・管理」との違いを明確にし、「技術・人文知識・国際業務」が選ばれる理由を説明します。

目次

他の主要な在留資格との違い

1. 特定技能 (Specified Skilled Worker)

目的: 人手不足が深刻な特定の産業分野(現在12分野)において、即戦力となる外国人材を受け入れることを目的としています。

 対象業務: 介護、建設、農業、飲食料品製造業、外食業など、特定の分野に限られ、比較的シンプルな作業や現場作業も含まれます。

 要件:

  •    技能: 各分野で定められた「特定技能評価試験」に合格する必要があります。
  •    日本語能力: 「日本語能力試験N4」程度以上の日本語能力が求められます。
  •    学歴: 大学卒業などの学歴は必須ではありません。

 在留期間: 特定技能1号は通算で上限5年(更新回数に上限あり)。特定技能2号は更新回数の上限がなく、永住への道も開かれます。

 家族帯同: 特定技能1号は原則として家族帯同不可。特定技能2号は家族帯同可能です。

 転職: 同一分野内での転職は可能です。

比較的取得しやすい部類に入りますが、分野ごとの試験合格が必須であり、安易な取得はできません。

2. 技能実習 (Technical Intern Training)

 

目的: 開発途上国等への技能移転と人材育成を通じた国際貢献を目的としています。労働力不足を補うことが直接の目的ではありません。

対象業務: 日本で培った技術・技能・知識を母国に持ち帰り、自国の発展に寄与することを前提とした、職種・作業(91職種167作業)に限られます。

要件:

  •    技能: 基本的に入国時点での特別な技能試験は不要ですが、母国での経験や日本語能力が求められる場合もあります(介護職種はN4必須)。
  •    学歴: 必須ではありません。

 在留期間: 1号(1年)、2号(2年)、3号(2年)の合計最長5年。

 家族帯同: 原則として家族帯同不可。

 転職: 原則として転職不可。

国際貢献という『目的外活動』になりがちなケースも多く、企業側の管理体制が厳しく問われます。

3. 経営・管理 (Business Manager)

目的: 日本で事業を経営する、または事業の管理を行う外国人を受け入れることを目的としています。

  対象業務: 会社の代表取締役、取締役、監査役、事業部長、支店長など、事業の経営または管理に関する業務全般。

  要件:

  •   事業所の確保: 日本に事業所があること、または事業所の確保が見込まれること。
  •   事業計画: 事業の安定性・継続性を示す具体的な事業計画があること。
  •   投資額: 原則として、事業への投資額が500万円以上あること。
  •   学歴・職務経歴: 経営または管理に関する3年以上の実務経験(大学院で経営又は管理に関する科目を専攻した期間を含む)があること。

 在留期間: 5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月。

 家族帯同: 家族帯同可能です。

 転職: 経営・管理の範囲内であれば可能ですが、事業所の変更や新たな事業の開始に伴う場合は変更手続きが必要です。

事業計画の具体性や安定性が非常に厳しく審査され、投資額だけでなくその事業の実現可能性が問われます。

4.技術 (Engineer)人文知識(Specialist in Humanities)国際業務 (International Services)

日本で働く外国人に対して与えられる在留資格の一つで、技術、人文知識、国際業務に関する専門的な知識やスキルを持つ外国人が、日本国内での就労や業務活動を行うために必要な資格です。就労ビザの一種で、自然科学や人文科学の専門知識、あるいは外国の文化についての知識が必要な業務に従事する外国人を受け入れるためのものです。

目的:日本の産業や経済活動の活性化に貢献するため、専門的な知識や技術、または外国の文化・感性を有する外国人が、その能力を活かして日本国内の企業等で働くことを認めるものです。

対象業務:技術 (エンジニア、技術者など)、人文知識 (事務職、企画職、経理職など)、国際業務 (通訳、翻訳、語学教師など)

要件:学歴要件(大学卒、専門学校卒など)、実務経験要件(実務3年、10年など)

在留期間:在留期間は、個々の状況や審査によって異なりますが、以下のいずれかが付与されます。

  • 5年
  • 3年
  • 1年

最初の申請では1年が付与されるケースが多く、更新を重ねることで3年や5年が許可されることがあります。

家族帯同:在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持つ外国人は、その配偶者および子が「家族滞在」の在留資格で日本に滞在することができます。

  • 要件:
    • 本人(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ外国人)の在留資格が有効であること。
    • 本人に、家族を扶養する十分な経済力があること。
    • 家族滞在の申請者(配偶者または子)が、本国の戸籍謄本などにより、本人との関係を証明できること。
  • 家族滞在での活動:
    • 家族滞在の在留資格では、原則として働くことはできません。
    • ただし、資格外活動許可を得れば、週28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内)であればアルバイトをすることが可能です。

転職:原則、転職自体は可能ですが、新しい職場での業務内容が現在の在留資格の活動範囲内に収まっている必要があります。活動内容を変更する場合には、在留資格の変更や再度審査を受けることが必要です。

学歴や職務経歴と業務内容の『関連性』と『専門性』が最も重視され、報酬の適正性も厳しく審査されます。事前の綿密な準備と書類作成が成功の鍵となります。


「技術・人文知識・国際業務」が選ばれる理由

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が多くの企業や外国人から選ばれるのは、以下のようなメリットがあるためです。

 専門性の高い業務に対応

   理学、工学、人文科学といった幅広い専門分野における知識や技術を活かせるため、日本の産業界でニーズの高いホワイトカラー職種に対応できます。

   単純作業やルーティンワークではなく、専門的な判断や思考を要する業務に従事できる点が大きな特徴です。

これにより、企業は高度なスキルを持つ外国人材を確保し、イノベーションや国際競争力の強化を図ることができます。

当事務所では、元警察官として培った洞察力で、貴社の事業内容と申請者の専門性を深く掘り下げ、入管が納得する『関連性』を書類で明確に示します。

 長期的なキャリア形成が可能

   在留期間の更新に回数の上限がなく、安定して日本で働くことが可能です(最長5年ずつ更新)。

   要件を満たせば、より上位の在留資格である「高度専門職」への移行や、最終的には「永住者」の在留資格取得も視野に入れることができます。これは、外国人材にとって長期的なキャリアプランを描きやすい大きな魅力です。

特に、永住を目指す方にとっては、この安定した在留資格での実績が不可欠です。当事務所は、単なるビザ申請だけでなく、将来の永住申請までを見据えたサポートを提供します。

 家族の帯同が可能

   配偶者や子を「家族滞在」の在留資格で日本に呼び寄せることが認められています。これは、外国人が安心して日本での生活基盤を築き、仕事に集中できる重要な要素です。特定技能1号や技能実習では家族帯同が制限されるため、この点は大きな違いとなります。

中国語対応も可能な当事務所は、ご家族の呼び寄せに関するご相談にもきめ細やかに対応し、言語の壁なく安心して手続きを進めていただけます。

  転職の柔軟性

   同じ「技術・人文知識・国際業務」の範囲内であれば、比較的自由に転職が可能です。これは、外国人材が自身のスキルや経験を活かせる職場を柔軟に選択できるという点で、キャリアアップや適応を促進します。

  技能実習のように原則転職が認められない在留資格と比べて、労働者側の選択肢が広いです。

転職を検討する外国人材の方も、当事務所にご相談いただければ、新しい会社でのビザ申請がスムーズに進むよう、必要な手続きや注意点を分かりやすくアドバイスします。

  採用ニーズの高さ

  日本企業においては、IT分野、研究開発、グローバルビジネス展開など、専門的知識を持つ人材の需要が高まっています。特に国際業務の分野では、多様化するインバウンド需要や海外市場開拓において、外国人の言語能力や異文化理解が不可欠であり、非常に重宝されます。

まとめ

これらの理由から、「技術・人文知識・国際業務」は、専門性の高い外国人材を長期的に雇用したい企業と、日本で専門性を活かしてキャリアを築きたい外国人材の双方にとって、非常に魅力的な在留資格となっています。

しかし、その要件は詳細であり、申請書類の作成には専門的な知識と経験が不可欠です。「自分でやろうとして時間だけが過ぎてしまった」「書類に不備があり不許可になってしまった」といった事態を避けるためにも、在留資格申請の専門家である行政書士にご相談いただくことを強くお勧めします。

当事務所におきましては「自分で申請はしたいけど、アドバイスはもらいたい」「書類は集められるけど申請は不安だな」というお悩みに合うプランもご用意しております。

当事務所では、複雑な在留資格制度を分かりやすくご説明し、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な申請プランをご提案します。特に、元警察官として培った『審査の視点』と、中国語でのきめ細やかな対応で、あなたの日本での夢の実現を力強くサポートします。

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